✔️通信建設業界のやりがいってなんだろう?
✔️通信建設業界で働いて良い点ってなにかあるだろうか?
✔️通信建設業界で働いて悪い点が気になる・・・
そんな疑問について答えます。
運営者が通信建設業界に勤めた経験談をもとに「通信建設業界」ってこんな業界だよということを紹介します。
長くなるので何回かに分けていますがこの記事では元請視点での「通信建設業界」の「やりがい」、「良い点」、「悪い点」についてまとめています。
※記事を作成するにあたり、一般的に公開されている情報を元に作成を行っており、情報元については各種、出典やリンクを結んでいますが万が一企業の守秘義務には違反する情報があれば修正いたしますのでご連絡下さい。
そもそも「やりがい」とは?
やりがい【やり甲斐】
事に当たる際の充足感や手応え、張り合い。
絶対的な指標や基準がなく、自分の価値観における軸によって「やりがい」を感じるポイントが変わります。とはいっても大体この5つのパターンに分かれると考えています。
✔️業務内容が楽しく充実している
✔️給料が満足のいく金額
✔️簡単すぎず難しすぎず適正な難易度
✔️他人から頼りにされる、必要にされる
✔️社会に貢献できる
通信建設業界の「やりがい」はこれらのどのパターンにあてまるか運営者の経験談を元に紹介します。
通信建設業界における「やりがい」
✔️自分の裁量で工事をどんどん調整しているとき
✔️重要工程・重要作業が無事完了したとき
✔️工事の竣工とき
やりがい感じるパターンでいくと、「業務内容が充実」、「社会に貢献できる」という点が運営者のやりがいに当てはまるものかなと思っています。
「やりがい」1:自分の裁量で工事をどんどん調整しているとき
施工管理者(現場代理人)の立場であると、工事現場の全ての権限を持っているので自身の裁量がとても大きく自由度が高いので仕事がしやすいです。
✔️工事日調整を自分都合で進める
✔️在庫を使って材料費を浮かし給料や利益確保
✔️自分の裁量で外注業者を選定し、相見積もりをとって契約
といった感じでさくさく自分のペースで段取りをとっていけるので精神的に楽だし充実していました。やりがいの内容として「業務内容が充実」というパターン。
補足:権限(裁量)の大きさについて
建設業はその工事を請け負った金額で成果物を納品するのでその金額の範疇であれば基本的になにをしても良いです。
例えば、自分の判断で外注契約の金額を決めたり、材料や備品を購入したり、事務所が必要であれば不動産と契約したり光熱費・水道代の支払い、交遊費など、自分の会社の名刺や作業着ですら工事費で準備したりするところもあります。
「やりがい」2:重要工程・重要作業が無事完了したとき
設備工事をしていると「重要工程」や「重要作業」といったポイントになる作業が出てきます。例えば電気関係の作業で設備を非現用から現用に切り替えるとき下記を注意します。
✔️作業対象を間違えていないかどうか
✔️短絡、地絡していないかどうか
✔️相が反転していないか
✔️電圧が問題なく適正値が出力されているか
✔️ネジ緩みはないか、マーキングモレがないか
このあたりを確認して上手くいくかどきどきしながら作業して無事完了したときのほっとする達成感はなんともいえないです。やりがいの内容として「業務内容が充実」というパターン。
「やりがい」3:工事の竣工とき
✔️自分がこの工事を手がけて無事終わったんだという開放感
✔️通信設備が商用化されたとき、通信インフラの技術者として少しでも世の中に貢献
工事竣工時に上記、2点を特にやりがい・達成感として感じました。やりがいの内容として「社会に貢献できる」というパターン。
通信建設業における良い点
✔️仕事好きにはたまらない環境
✔️資格に関する研修が豊富
✔️通信建設業界全体の安定性が高い
✔️能力がなくても働きやすい業界
上記が通信建設会社に勤めていて良かったと思える点です。
仕事好きにはたまらない環境
現場責任者という立場上、権限・責任・裁量が大きいです。
通信建設業界はただでさえ人が不足しているので管理する人間はもちろん、現場作業をする人間もいないので仕事はいくらでもある状態なのです。
そのため自分の目標や心がけ次第では20代でものすごく成長する環境を作り上げることが可能です。
資格に関する研修が豊富
建設業は「資格」が非常に重要になってきます。資格を持っているからスキルがあるというわけではなく、運転免許証のように資格を持っていないと仕事ができない。つまりスタートラインにすら立つことができないことが多いです。
例1:「工事担任者」の資格がなければ商用目的のLANケーブルを作成不可
例2:「電気工事士」の資格がなければ分電盤に電源線を接続するなどの作業不可
必須となる資格が多いため会社として資格取得を推奨しており研修が多くあります。研修のクオリティはさまざまですが参考書やテキストを無料で手に入れることができたり、試験代を会社が負担してくれたり資格取得をすることで報奨金を配布するなど社員の能力開発を促してくれるところが多いです。
通信建設業界全体の安定性が高い
通信インフラは今や超重要なものになってきています。そのためこの業界の仕事がなくなることはありません。
コロナで失業者が出ている世の中でも通信建設業は安泰です。政府が固定回線に対して500億円の投資をするという報道もありました。
①コロナが発生してテレワークがトレンドになる
②インターネットトラフィックが増大
③設備投資をする必要が出てくる
④通信建設業の仕事が増える
また、電気通信事業は公共性が極めて高いため、事業者としても参入が難しく競合他社がそもそも出てくることが稀です。(設備投資に莫大な金額がかかり事業者の体力が持たないため)
そのため、通信キャリアと通信建設業界自体の結びつきが強く、業界が完成されています。
補足:業界再編について
業界自体もM&Aを繰り返し、最終的には上位三社のどれかのグループに属して、仕事を回していくようなかたちになるのかなとも考えています。
能力がなくても働きやすい業界
0から1を作る仕事ではなく、95%くらい前例があるので過去の流用が効いたり、応用することでなんとかなることが多いです。
自分でなにもないところから他部門や他社に自分の考えをドライブしていって案件ぶん回すみたいなことはほとんどないのでコミュ力なくても割となんとかなります。
通信建設業界における悪い点
✔️長時間労働で自分の時間がとれない
✔️年功序列で体育会系の職場
✔️6Kの職場(きつい、きたない、危険、帰れない、厳しい、給料が安い)
✔️通信建設業界が完成されすぎている
上記が通信建設会社に勤めていてここは改善すべきと思える点です。
長時間労働で自分の時間がとれない
【業界紹介】通信建設業の作業内容を解説の記事より、現場代理人の作業内容は多岐に渡りかなりボリューミーです。とある一日の作業内容を想定してタイムスケジュールを記載しています。
✔️決められた施工方法で作業をしているか
✔️安全作業をしているか
✔️図面通りに作業が進んでいるか
現場の進捗を記録するため写真撮影などを行います。現場の定時作業が終了すると施工管理業務の本番開始で下記の業務は現場に出ている間はできないため現場終了後に実施します。
✔️社内処理業務
✔️撮影した写真データの整理や図面修正
✔️別案件の段取り準備
手持ちの抱えている案件数にもよりますが並行して3~5案件ほどあると段取りや調整業務で22:00~23:00に仕事が終わり帰路に着くと24:00超えることも当たり前という状態。そのため自分の時間を持つことができないことが多いです。
年功序列で体育会系の職場
体育会系の業界で業務の性質上、現場の責任者で第三者を指導、指摘する立場の人間になります。
✔️現場の指揮命令系統を保つ
✔️作業員が現場責任者に逆らうことがあってはならない
このような背景も後押ししてより体育会系の業界が形成されるのでは考えています。
6Kの職場(きつい、きたない、危険、帰れない、厳しい、給料が安い)
✔️きつい
✔️きたない
✔️危険
✔️かえれない
✔️厳しい
✔️給料が安い
建設業のため物理的な通信設備を構築する関係上、仕方がありません。
通信建設業界が完成されすぎている
業界が完成されすぎているので、新しくなにかを始める雰囲気もなく、業務・賃金が改善される見込みがないように感じます。
✔️安全のルール(仕事のやり方)はガチガチに定められている
✔️0から1を作る仕事ではない
✔️電気通信という特性上、競合がなかなか出てこず通信キャリアと結びつきが強い
業務・賃金が改善しようにも通信キャリアの通信建設業界への設備投資額計画が見えているので通信キャリア以外の仕事を増やさないといけませんが、この環境下にずっといると受け身の社員ばっかりになってしまい新しいことを始めることが難しいそんなジレンマがあるのかなと感じています。
まとめ
通信建設業界の「やりがい」、「良い点」、「悪い点」をまとめると下記の通りです。
✔️自分の裁量で工事をどんどん調整しているとき
✔️重要工程・重要作業が無事完了したとき
✔️工事の竣工とき
✔️仕事好きにはたまらない環境
✔️資格に関する研修が豊富
✔️通信建設業界全体の安定性が高い
✔️能力がなくても働きやすい業界
✔️長時間労働で自分の時間がとれない
✔️年功序列で体育会系の職場
✔️6Kの職場(きつい、きたない、危険、帰れない、厳しい、給料が安い)
✔️通信建設業界が完成されすぎている
補足:通信建設業界を知るための本の紹介
通信業界の業界用語や動向が書かれている本です。NTTや総務省の情報ソースでトラフィック量の今後だったり、FTTH、MVNOなど固定通信、移動通信問わず、ざっくり通信業界の動きがわかるのでおすすめ。
通信キャリア向けですが、通信キャリアの動きを知るとそれに付随して工事が発注され動くのでしっておいて損はないです。