資格取得

【第一種電気工事士】合格までのポイントや勉強法について解説!

第一種電気工事士は電気や設備業界で必要とされる資格になります。第二種電気工事士からのステップアップで取得することが多い「第一種電気工事士」ですが、勉強の仕方やコツを解説します。

第二種電気工事を取得して次は第一種電気工事士を目指す!でも、二種もギリギリだったから不安・・・。

第一種電気工事を勉強するにあたり体験談やおすすめの参考書を知りたい。学習するときに気をつけていたことなども分かれば役立つかも・・・。

このような疑問はもちろん、第一種電気工事士を取得した先のキャリアアップについて紹介できればと思います。

電気工事士?なんじゃそりゃ?って方向けにもわかるように説明していきます。

【社会人向け】資格取得のための勉強法と目標達成のマインドを解説資格取得する際の本当に取得する必要があるか?どうやって勉強しているか?実体験をもとに解説しています。これから勉強する人にとってはその方向で正しいのかを確認するため内容になっていますのでご覧ください。...

第一種電気工事士とはどんな資格?

電気工事士とはビル・工場・商店・一般住宅などの電気設備の安全を守るために工事の内容によって、一定の資格のある人でなければ、電気工事を行ってはならないことが法令で決められています。

その資格のある人を電気工事士といいます。

そもそもなんで電気工事って資格が必要なんでしたっけ?

感電すると死亡する可能性もあるし、電気を扱う作業は危険だから知識を持った人が作業をする必要があるからです。

第一種と第二種の電気工事士の資格がありますが違いは第一種電気工事士にあっては一般用電気工作物及び自家用電気工作物の作業に従事することができます。

資格種別一般電気工作物自家用電気工作物
(500KW以下)
自家用電気工作物
(ネオン/非常用)
第二種電気工事士××
認定電気工事従事者××
第一種電気工事士×
特殊電気工事資格者
(ネオン)
××
特殊電気工事資格者
(非常用)
××

※横スクロールができます。

電気工事士にも区分があってそれぞれ扱える範囲が異なるわけですね。

商用ビルの電気設備や分電盤などを触るときは電気工事士の1種が必要です。

第一種電気工事士の受験資格

受験資格はありません。実務経験なども問われないので学歴なども気にしなくてOK。試験には筆記試験と技能試験があり、両方に受かれば試験に合格です。

しかし、免状交付は5年以上の実務経験が必要なので注意です。

免状交付の条件

  1. 電気工事の実務経験5年以上
  2. 電気工事士の実務経験3年以上+大学または高等専門学校で所定の課程を修め卒業していること

第二種電気工事士を取得して、実務経験を必要年数分だけ積んでいく。 その中で第一種電気工事士の試験に合格して、第一種の免状が交付される条件を満たすという流れとなります。

受験に制限はないけど、免状交付に制限があり。実務経験を積むためにはそもそも、第二種の資格を持って積んでいくしかないのですね。

電気系の学歴があると3年に短縮できます。※指定課程:電気理論、電気計測、電気機器、電気材料、送配電、電気法規、配線図を含む製図など

第一種電気工事士の受験者数

受験の申し込み者数は増加傾向にあり、年間約50,000人です。電気系・工事系の資格の中では比較的受験者も多く人気の資格になります。

電気設備の工事は、電気工事士の資格を持っていない方が対応することはできません。 工事に対応できるのは資格を持っている方だけなので、電気工事士は業務独占資格と呼ばれます。

業務独占資格なので取得すること自体に意味があります!

建物がある限り、電気の仕事はなくなることはないので、今後も長く安定した仕事が見込めます。 こういった電気工事士の仕事に需要がある点が人気があり、受験者が増えている理由の1つとも考えられます。

インフラを握るのは強いってはっきりわかんだね〜。

第一種電気工事士の難易度

年度筆記試験合格率技能試験合格率
H2742.7%70.9%
H2850.3%61.7%
H2947.0%63.5%
H3040.5%62.8%
R0154.1%64.7%

電気工事士は技能試験よりも筆記試験の方が合格率が低く40%〜50%を推移しています。また、技能試験は60%〜70%といったところです。

技能試験の方が合格率が高い要因としては下記があげられます。

  1. 試験前に候補問題が公表され対策を立てやすい
  2. 実務をされている方が多いので手慣れている

合格率だけを見ると筆記試験が鬼門なのですね。

第一種電気工事の試験内容

筆記試験と技能試験があり、筆記試験を合格しないと技能試験に進むことができません。

解答方法4択問題
問題数50問
配点1問2点
試験時間140分
満点100点
合格ライン60点

内容としては、第二種では低圧メインだったので単相が多かったですが高圧となると三相が基本となってくるのでその分、計算が少し複雑になります。

第二種と問題数は同じで4択選択式。試験時間が140分と多く1問あたりをかけることができます。写真問題や暗記問題もあるので即答できるものもあり時間は十分。

計算問題で時間が足りなくて焦ったりしないくらいあるのは嬉しいところ。

また合格ラインは60点ですので計算問題が苦手でもその分野をまるまる捨てても他できっちり正当できれば問題なく合格ができます。

実技試験については、筆記試験合格後、候補問題(10題)の中から問題が選択されるのでなく練習を行います。といっても、実務を経験されている方がほとんどですので、技能より筆記試験が合格できるかどうかにフォーカスされます。

試験の難しさは二種よりは格段に難しくなっていました。パーツが多いので施工ミスや時間の配分(単線図から複線図の変換)を間違えると施工しきれずなんてことも・・・。

第一種電気工事士取得までどれくらいの勉強時間が必要?

実務経験があるかないかで実技試験の勉強時間が大きくかわると思います。

未経験でも過去問5年分×4周=100h、基礎知識100hの200hほどで合格ラインに乗ります。

技能試験は体に覚えさせる必要があるので50h〜75hほどで筆記試験と技能試験を合わせると250h〜275hほど勉強時間を確保すれば問題なく合格できます。

知識がある程度あれば、150〜175hくらいが相場かなと。

私は知識があるから150hくらいでいけるかな?(笑)

250hであれば1day/3hペースで勉強を積み重ね6ヶ月で取得するイメージです。

資格を取得する上で勉強計画は重要なので無理のない計画を立ててまとめて勉強はしないように。毎日少しずつでも参考書を読むだけでも記憶の定着度は全然変わってきます。

「平日1時間 + 土日2時間」
 「週9時間  × 26週間」
  ⇒ 【234時間/約6ヶ月】

「平日2時間 + 土日3時間」
 「週13時間  × 18週間」
  ⇒ 【234時間/約4ヶ月】

「平日0時間 + 土日4時間」
 「週8時間  × 30週間」
  ⇒【240時間/約6ヶ月

第一種電気工事士のおすすめ参考書

待ってました!

参考書選びのポイントとしては、自分がわかるものを選ぶことが重要。ビジュアルにイメージしやすいものがおすすめです。

堅苦しい公式だらけの参考書とかもあるので、失敗するとちんぷんかんぷんになる可能性高。

ネット掲載の無料の過去問題では限界がある

  • スマホからだと画面が小さくて見づらい
  • 解説が乏しく、しっかり理解したい
  • 答えの暗記だけではなく、正しく基礎を身につけたい

このような場合には、参考書を購入することを推奨します。

ぜんぶ絵で見て覚える 第1種電気工事士 筆記試験すい〜っと合格

Amazonレビュー

昨年上期二種、下期一種に一発合格しましたが筆記に関してはこの「すい~っとシリーズ」のみで合格できます。

電気工事士試験はさまざまなメーカーから教本が出ており見比べてもみましたが、このシリーズは知識が全くない他業種や文系の方でも絵入りの説明が多くてとても分かりやすい内容です。問題集もすい~っとシリーズの赤本のみで大丈夫です。

この教本を2回通り読み、問題集を繰り返し解く。わからないところは教本を読み直す。それでもわからなければネットで調べる。このシンプルな方法で筆記は突破できます。

ぜんぶ絵で見て覚える 第1種電気工事士 技能試験すい〜っと合格

お品書き

2020年度の技能試験に出題される公表候補問題の全想定解答と詳細説明を写真と図入りで丁寧に解説しました。

合否にかかわるポイントを書き込んだ複線図と、カラー完成写真、完成実体配線図、さらに一般的な施工条件を想定した模擬試験用紙や練習に必要な材料の一覧表が付いているので、自習には最適です。

すい〜っとシリーズの技能試験版です。

第一種電気工事士技能試験練習用材料 「全10問分の器具・電線セット」

Amazonレビュー

第二種と違い2sq〜8sqまでの寄り線を使用する機会が多く、全問KIP8sqの施工や複数パターンの結線方法があったり、CVVを使用する回路も多い為、本番前までに全てひと通り練習しておきたい所です。

KIPやCVVなども含めHOZANストリッパーで外装を剥ぎ取りましたが、力加減を間違えると心線破損や被覆破損で一発アウトです。本番までに使い終わった材料を何度もストリッパーで握り締めて感触を掴んでおいて良かったです。

お陰で本番では10分以上前に完成して余裕を持って見直しや確認が出来ました。

10分以上も余裕が出るってすごいですね・・・。


KIPなどはホームセンターでもなかなか売っていないので入手が難しいです。また、電工ナイフで切りづらく端子台にも線が太すぎて施工しづらいなど、触ってみないとわからないことが多いので練習しないと絶対合格しません。

まとめてゲットできるので、ホームセンターで取り揃えるより楽です。

電気工事士技能試験工具セット

Amazonレビュー

技試験には必須なので、先行投資しました。ドライバーなどは手持ちがあるのですが、リングスリーブ圧着工具、外装被覆のストリップ工具など別々にそろえるといくらかは安くなるかもしれません。

圧着工具はホーザンの中でもいくつか種類があるようですが、ネットで調べたところでは、このDK-18セットに付属のものが実技試験を前提にすると丁度良いサイズらしいです。

また、圧着工具も使い易く、ストリッパーは定規も兼ねる優れものです。電気工事の仕事に就くかどうかは未定ですが、これらの工具は持っておいても自宅の電気工事で使えるので損はない買い物をしました。

技能試験の必須工具ですね。ここから、自分の使用しやすい工具を厳選して机のスペースを確保を考えていきます。

第一種電気工事士取得までの体験談

合格までの勉強法や体験談などをまとめています。基本的なところは第二種電気工事と同様ですが、より勉強時間を多く確保するようにしました。

第一種電気工事士の筆記試験の体験談・ポイント

意識したこと

  • 暗記系の問題は確実に取る
  • 計算系の問題を落としても良いように得意分野を作る
  • 60%を目標ではなく80%を目指して勉強

写真問題は、暗記をしておくと瞬間で解けるので得点源として得意分野として稼いでいました。

計算問題でこけてもカバーできるようにって感じですね。

特に第二種電気工事士では出題されなかった高圧用の機器が問われるので日々、写真を見て頭に入れておかないとどっちがどっちだが混乱してしまうことがあるので注意。

計算問題ではインピーダンス、リアクタンスなど高校の電気科で学ぶレベルのものが出題されます。計算問題といっても4択なので、明らかにこの数値にならないだろうという選択肢を消去できるので、公式をど忘れした場合でも数値を無理やり入れ込んでそれっぽい値が出せたら答えを導くこともできます。

実務でやるときはそれっぽい値とかダメですよ!!(笑)

また、無効電力や有効電力を求める問題も出題されます。電力系はベクトルの知識が必要なので第二種と比べると難易度が高いなと感じていました。

第一種電気工事士の技能試験の体験談・ポイント

意識したこと

  • 体が覚えるまで反復練習
  • 単線図から複線図変換は5分を目安
  • 練習にお金はケチらない

参考にならないかもしれませんが、合格までの近道としてはひたすら練習して体が覚えるまでやり込むしか道はないです。

技能試験では単線図の状態から出題されるので、複線図に変換することが必須です。実務経験を積んで慣れている方であれば単線図のままで一気に作りあげることも可能ですが、ケアレスミス防止のため正確な複線図を書き上げることが基本。

手抜きは事故の元!

忘れてならないのが、施工条件。例えば、タンブラスイッチの取付場所を中央ではなく下側に取り付けるなどで施工条件を満たせず不合格になるということもあるので必ず目を通します。

よくあるミスが線の色間違いとリングスリーブの刻印違いですね。

そんなミスを少しでもなくすためには、単線図から複線図の理解が必要不可欠です。この理解を手助けする神ツールを紹介します。

このフリクションボールペンは電気工事士を受験するために生まれてきたといっても過言ではないと言えます。

複線図を書く時に重要なのは正確さ」「時間短縮」「修正能力です。

フリクションボールペンはその全ての要素を満たしています。電線の種類は白黒赤緑です。その色の割り当てをそのままフリクションで再現でき、1本のペンなので狭い机でも邪魔にならず、こすれば消えるので非常に便利。

場所を取らない、修正しやすい、ケシカスが出ないのは便利かも。

色を変える度にペンを入れ替えたり、何本もペンを用意する必要もなく、こすれば消えるので、間違えたときに書き直しをする必要がありません。

複線図変換パターン

  1. 単線図に記載のある電源、器具などを同じ配置で記載
  2. 電源の接地側をSW以外の器具につなげる
  3. 電源の非接地側をSWとコンセントにつなげる
  4. SWからそのSWに対応する器具をつなげる
  5. JBOXとアウトレットBOXを○で囲む
  6. リングスリーブで接続するところは●、コネクタで接続するところは■を書く

上記のパターンを元にひたすら単線図を複線図に変換する練習をしました。複線図変換を完璧にできるようにして実際に材料を使用して組み立てを行いました。

流しとかでとりあえず技能練習をしなかったのですか?

間違った手順で覚えてしまうと意味がないし、貴重な材料を無駄使いしたくなかったので、とりあえずとかで軽い気持ちではしませんでした。

参考書を見ながら最初は確実に工作をしました。特にランプレセプタクルの輪の向きやVVF被覆の剥きすぎなど注意していました。

練習を重ねていく内に手がボロボロになっていきました。SWやコンセントの取り付けフレームは尖っているので、知らず知らずの内に小さな傷だらけになります。

着実に実力をつけている証拠なので、自信にもなっていきました。

第一種電気工事士をどうしても取得したい場合は?

出典:翔泳社アカデミー

どうしても第一種電気工事士に合格したいと考えている方は通信講座もひとつの選択肢です。通信講座の強みは効率的かつ短期合格が可能な点、独学では挫折しやすい分野も質問しながら勉強できるという点が挙げられます。

興味があればクリックして見てください。

第一種電気工事士をベースに他の資格を取得

第一種電気工事士取得後は、管理者として電気主任技術者、電気施工管理技士を取得することで電気のプロフェッショナルになれます。

また、並行して消防設備士という消防設備の資格を取得して幅を広げても良し。ボイラーの資格を取得するも良しで自身がどの方面にキャリアを寄せていくかによって選択肢が変わってきます。

また、市場価値も上がるので転職する際に有利になります。

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まとめ

第一種電気工事士について

  1. 電気工事士は技術系の資格の中でもメジャーな資格業務独占系の資格で「持つ」ことに意味がある資格
  2. 勉強する際は過去問中心でOK。技能対策は念入りにする必要あり。工具や部材は購入するのが無難。
  3. 取得後は電気主任技術者など管理系の資格を取得することがベター。幅を利かせて消防設備士などを取得しても良し。

以上、ここまで読んでいただきありがとうございました。少しでも参考にばれば幸いです。