✔️電気工事士ってどんな資格なの?
✔️電気工事士って就職・転職に役立つの?
✔️電気工事士を取得するためにはどれくらい勉強時間が必要?
✔️電気工事士を取得するための勉強法・体験談を聞きたい
上記の四点を「電気工事士」を取得している運営者が実際の体験談をもとに解説できればと思います。
少しボリュームが多いので目次より欲しい情報を掻い摘むこと推奨します。
電気工事士ってそもそもどんな資格なの?
電気工事士とはビル、工場、商店、一般住宅などの電気設備の安全を守るために工事の内容によって、一定の資格のある人でなければ、電気工事を行ってはならないことが、法令で決められています。
その資格のある人を「電気工事士」といいます。
〜士と「士」がつく国家資格であり独占業務系の資格です。難易度が低いにもかかわらず、汎用性が高いので、技術系の資格の十八番です。
第一種と第二種の違い
第一種電気工事士にあっては一般用電気工作物及び自家用電気工作物(最大電力500キロワット未満の需要設備に限る。)の作業に、第二種電気工事士にあっては一般用電気工作物の作業にそれぞれ従事することができます。
商用ビルの電気設備や分電盤などを触るときは電気工事士の一種が必要。
二種は弱電の配線や電気使用設備等の一般用電気工作物の電気工事の作業に従事する場合は第二種が必要。コンセントとかですね。
第一種と第二種電気工事士の役割分担や違いについては一般財団法人電気技術者センターにて記載がありますので参照ください。
電気工事士の難易度
難易度は「低い」です。
これから電気の仕事を始める人が初めに知っておくべき、基本的な内容が聞かれるレベルになります
筆記試験と実技試験に区別され、筆記試験が合格後、実技試験に望むことができます。受験資格は特にありません。電気の知識も高校生の知識レベルがあれば十分に合格可能な内容となっています。
電気工事士の合格率
第二種電気工事士 | 筆記試験[%] | 実技試験[%] |
H29年度上期 | 61.0 | 71.3 |
H29年度下期 | 55.6 | 63.4 |
H30年度上期 | 57.8 | 69.4 |
H30年度下期 | 51.8 | 64.8 |
R01年度上期 | 70.6 | 67.4 |
R01年度下期 | 58.5 | 62.2 |
筆記より実技の方が合格率が高いので、実務経験者が多いことが予測できます。実務で使うために必要な資格なのでそんなに難しくないです。
未経験にとってはその「実技」が難しいので注意!!
第二種電気工事士の出題形式
筆記試験と実技試験の二種類あります。
筆記試験の出題形式
解答方法 | マークシート式(4択) |
問題数 | 50問 |
配点 | 1問2点 |
試験時間 | 120分 |
合格ライン | 60点 |
合格ラインが60点。20問は間違えても合格ができ、マークシートも4択なので当てずっぽうでも25%で当たります。過去問ベースで問題が出題されるため勉強法が確立できないといったものではありません。
実技試験の出題形式
試験内容 | 配線図を使って配線の作業や施工 |
試験問題 | 前もって公表されている候補問題から1題 |
試験時間 | 40分 |
合格基準 | 欠陥がなければ合格 |
合格基準は昔は欠陥に種類があり、重大欠陥がなければ合格ができましたが現在では、欠陥があった時点で不合格です。
ちょっと厳しくなりました。確かに現場で欠陥を出されると即やり直しなので正解といえば正解だと思います。
実務を経験されている方がほとんどですので、「実技より筆記試験が合格できるかどうか」が問題視される試験。
ちなみに運営者は未経験のまま受験をしましたが、実技がめちゃくちゃ不安でした。
第二種電気工事士取得までどれくらいの勉強時間が必要?
実務経験があるかないかで実技試験の勉強時間が大きくかわると考えています。
筆記試験の勉強時間
未経験でも過去問5年分×2周=50h
基礎知識20hの70hほどで合格ラインに乗ります。
運営者の勉強期間は1週間ほどで50h。大学で電気・通信・情報科目を専攻しておりある程度知識があった状態。
想定より少ない時間数で合格をすることができました。
実技試験の勉強時間
実技試験は手に覚えさせる必要があるので30h〜50hほど。
筆記試験と実技試験を合わせると100h〜150hほど勉強時間を確保すれば問題なく合格できるかなといったところです。
実技も運営者の経験だと二日で20h。試験直前で部材を買い込んで対策というか実技講習を受けに行って万全の対策を行いました。
自信がなかったのでずるいかもですが、確実に取得できる道を選びました。
ちなみに部材の準備をケチって中途半端に練習をすると、練習していない問題が出題され即詰む可能性が高いので、部材費ケチらずに購入することが大切。
第二種電気工事士の勉強計画
筆記と実技合わせて100〜150hの勉強時間が必要なので100hであれば1日/3hペースで勉強を積み重ね3ヶ月で取得するイメージで立てると良いでしょう。
「平日1時間 + 土日2時間」
「週9時間 × 13週間」
⇒ 【117時間/約3ヶ月】
「平日2時間 + 土日3時間」
「週13時間 × 9週間」
⇒ 【117時間/約2ヶ月】
「平日0時間 + 土日4時間」
「週8時間 × 15週間」
⇒【120時間/約3.3ヶ月】
資格を取得する上で勉強計画は重要なので無理のない計画を立ててまとめて勉強はしないように。毎日少しずつでも参考書を読むだけでも記憶の定着度は全然変わってきます。
第二種電気工事士のおすすめの参考書・工具
おすすめの参考書と工具、準備物を紹介します。
ぜんぶ絵で見て覚える第2種電気工事士筆記試験すいーっと合格(2020年版)
過去問を一つ購入し、周回するだけでOKです。自分がわかりやすいと思うものを手に取りましょう。絵などビジュアルで理解できるものがベターです。
参考書にもばらつきがあり、自分に合わない本を選択するとちんぷんかんぷんで不合格に・・・なんてことをさけるためにはこれ。
「すいーっと合格」の参考書は絵で感覚的に理解できるので未経験でも勉強がしやすいので鉄板の参考書。
2020年版 ぜんぶ絵で見て覚える第2種電気工事士技能試験すい~っと合格: 入門講習DVD付
参考書はあるけどぶっちゃけYouTubeまたはHOZAN社の実技試験対策動画で良いと思います。
勉強する上で「過去問」・「模擬試験」・「実技動画」・「複線図変換」解説など合格するために必要なものが全て詰まっている神サイトです。
電気工事士技能試験セット 工具セット
工具がないとそもそも実技試験ができないので必須。
HOZAN社のもの一択。試験会場では8割くらいの人が同じもの持ってると思います。電工ナイフとか実務であんまり使用しないものもあるためここから実際に試験で使用するものを抜き取るでいいでしょう。
準備万端シリーズ (2回練習分) 第二種電気工事士技能試験練習用材料「全13問分の器具・電線セット」 (2020年度版)
こちらも練習する上で必須。
職場が電気工事系なら事務所に部材が転がっていると思うので流用すると良いかもしれません。高い!と感じる場合は必要なものをピンポイントでホームセンターなどで購入するのもあり。
部材の入手できるかで合格するかどうかが変わるので確実に準備しましょう
全部まとめてセットだと講座で対策するのもGOODです。何か資格にチャレンジしてみたい!という方や実務が未経験で不安だという方、参考書や部材・工具の準備がめんどくさいという方におすすめ。99%合格します。
第二種電気工事士取得までの体験談と勉強法
運営者の合格までの体験記を参考になればと思います。
筆記試験の体験談と勉強法
筆記試験は「過去問題をやり込む」ことがなによりの対策なので過去問中心に勉強を行い、わからない部分は参考書を読むといったかたちのスタイル。
例えば、上記写真の問題は、暗記をしておくと一瞬で解けるのでこのような知識問題は取りこぼさないようにする。
計算問題も上記のレベル感です。
4択なので、明らかにこの数値にならないだろうという選択肢を消去できるので、公式をど忘れした場合でも数値を無理やり入れ込んでそれっぽい値が出せたら答えを導くこともできます。
※実務ではNGなのできっちり勉強する必要あり。
✔️絶縁物の最高許容温度が最も高いものは?
✔️ノックアウトパンチャの用途で適切なものは?
上記のような知識問題も問われますが、こちらについては覚えるほかありません。そういうものなんだなと思いながらひとつずつ覚えていきました。
実技試験の体験談と勉強法
実技試験は「ひたすら練習して手が覚えるまでやり込む」の勉強スタイル。ダラダラ勉強しても、部材の無駄使いになるし、キュッと一気にやりきるという考えのもと勉強を始めました。
余談として結構、時間ギリギリ・配線を途中間違えてやり直したのでもっと時間をかけてやるべきでした・・・
上記の単線図の状態から出題されます。
まずこれを複線図に直して実際に作業をするときの図面に修正してから取組ます。実務経験を積んで慣れている方であれば単線図のままで一気に作り上げますが勘違いやケアレスミスを防止するために多少時間がかかっても正確な複線図を書き上げ作業に移行することが基本。
施工条件も重要で、例えばタンブラスイッチの取り付け場所を中央ではなく下側に取り付けるなどで施工条件を満たせず不合格になるということもあるので必ず確認。
単線図から複線図の練習はフリクションペンが命です
フリクションボールペンを購入することから始まります。
電気工事を受験するために生まれてきたようなペンです。
複線図を書くときに重要なこと
✔️正確さ
✔️時間短縮
✔️修正能力
フリクションボールペンはその全ての要素を満たしています。電線の種類は白黒赤緑です。その色の割り当てをそのままフリクションで再現でき、1本のペンなので狭い机でも邪魔にならず、こすれば消えるので非常に便利。ポチること推奨。
色を変える度にペンを入れ替えたり、何本もペンを用意する必要もなく、こすれば消えるので、まちがえたときに書き直しをする必要なし。
複線図のパターン
- 単線図に記載のある電源、器具などを同じ配置で記載
- 電源の接地側をSW以外の器具につなげる
- 電源の非接地側をSWとコンセントにつなげる
- SWからそのSWに対応する器具をつなげる
- JBOXとアウトレットBOXを○で囲む
- リングスリーブで接続するところは●、コネクタで接続するところは■を書く
※鉛筆だけだと、わかりづらく、LN(ラインとニュートラル)を記載したりシ(白)、ク(黒)、レ(赤)などを記載しないと判別ができなくなってしまいます。
上記のパターンをもとに複線図変換をすることが合格のポイントです。
複線図変換ができないのに、実技をしても間違えたまま作成し「間違った手順を体が覚えてしまう」ので絶対にNG。
理屈ですが・・・実技試験は事前に問題が公表され13題中1題が本番試験で出題されます。そのため、13パターン全てできるようになっていれば100%合格します。
参考書や動画を見ながら確実に工作をする。特にランプレセプタクルの輪の向きやVVF被覆の剥きすぎなど気を付けていないと本番でやらかしてしまうので理解しながらやっていきます。
練習を重ねていく内に手がボロボロになっていきます。SWやコンセントの取り付けフレームは凸凹しているので、知らず知らずの内に小さな傷だらけに。
しかし、それは着実に実力をつけている証拠なので、自信にもなります。
実技試験複線図問題は下記のリンクにて解説していますので興味があれば参考にしてください。No.1〜13全ての候補問題を網羅しています。
第二種電気工事士をベースに他の資格を取得
第二種電気工事士取得後は関連資格を取得するとスキルの幅が広がります。
第一種電気工事士
第二種電気工事士取得後は、そのまま経験を積んで第一種電気工事士を取得することが王道。その後は管理者として電気主任技術者、電気施工管理技士を取得することで電気のプロフェッショナルに。
消防設備士
消防設備士の資格を取得して幅を広げてもよしです。電気工事資格を持っていると科目の問題数が減るので取得が簡単。既に電気関係に勤めている方でも自己研鑽としてキャリアアップのアピールができたりします。
工事担任者
電気と通信は結びつきが強いです。特に弱電はそのまま通信ケーブルを敷設することもザラなので、工事担任者の資格を持っているとこちらも仕事の幅が広がります。