第一種陸上無線技術士の資格を取得を考えている方が思うことは無線工学やアンテナの知識が複雑すぎてよくわからない。理解できないということを感じると思います。運営者が勉強するにあたり、購入した参考書のレビューをしていきます。
運営者の前提知識ってどれくらいなものですか?それによって簡単といっても初学者にとっては難しく感じるかも知れないし勉強始めた時の状態を知りたいかもです。
- 大学理系卒 電気通信情報系専攻
- 電気通信主任技術者 取得
- 電気通信系業界 実務経験有
結構ガッツリ知識有り&現場経験有りなので初学者というより、ある程度理解している方目線のお話になるのですかね?
運営者も微分方程式、電磁気学など大学で単位取得しましたが、お世辞にも良い点数ではありませんでした。そのため、現場経験メインで理論的な数式や解説は弱い状態です。では本題に入りたいと思います。
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基礎から学ぶアンテナ入門
この基礎から学ぶアンテナ入門は入門と名のつく通り、初学者向けの参考書です。
この参考書の良いところは、目に見えない電磁波、電波といったアンテナ技術についてイメージがしやすいように図の表現が多いところです。
よくある工学系の本で、前提知識があるよなと言わんばかりに圧力をかけたような数式地獄的参考書が多くありますが、この基礎から学ぶアンテナ入門はそれがないです。
よくあるのは、マクスウェル方程式くらいは当然知ってるよな。じゃあ、微分積分その他数学的知識もいけるでしょで解説がすっ飛ばされてる系の本はよく見かけますね。
例えば数学的な知識がない方にマクスウェル方程式や波動方程式の概念を説明されても、意味不明でおそらく、ベクトルを表す太字すらなんだこれと感じる方もいるレベルだと思います。その公式がどうやって導出されているか理解できないまま進んでいくので勉強の効率も当然悪いです。
そもそも第一級陸上無線技術士自体が初心者お断りの資格だからしょうがない。
そんな中、この参考書は、電波はなぜ伝搬するのか?といった初歩的なWhyを解決してくれる本です。例えば、変位電流の解説で、それまで変位電流は時間微分しているので時間単位あたりに電流が微小変化しているといった理解(他人に解説できない理解)でしたが、変位電流とは、空間中を電流が伝搬している絵で解説されており、ピンと来なかった理解が線に繋がるなど基本にピッタリ。
また、アンテナ知識に関しての具体的な説明が数式表現を避けて、どのようなものか特徴・役割は何なのかといった部分を細かく解説されており、初学者やアンテナの仕組みに関して興味を持った方に向けておすすめができます。
給電技術や測定方法、アンテナの種類などマニアックな知識もありますね。実際に現場で使用する知識や技術の具体的イメージをもってより無線工学的な数学の仕組みを深掘りしていくと良いかも知れません。
Amazonレビュー
CQ出版の本と言うのは一発で分かる。解説、記事の取り上げ方、分かりやすさ、工作と安心できます。ループ・アンテナの記事とバリコン関係を読みたかったので吉です。
光・電磁波工学(電子情報通信レクチャーシリーズ)
最低限、大学で理数科目を単位取得している方向けの参考書といった印象でした。
ってことは結構難易度高め?
恐らくどこかの大学のテキストに使用されている感満載の参考書です。各章の最後に理解度の確認ということで演習問題があり、簡単なものから難しいもの(大半が難しい)といったものがあり、難易度は少し高め。
序論は光通信デバイスの歴史や説明があり、図の描写がわかりやすいと感じて購入に踏み切りました。
後から難易度が跳ね上げるパターンのやつ。
高校物理の光の回折や吸収、散乱といった部分から、電気通信における伝送路媒体の内容などが盛り込まれておりわかりやすいです。
しかし、数式表現の章に移ると一気に難易度が鬼になり、初学者というか知識のない人間にとって、その数式表現がわからないから理解できると考えて購入したのに、そこ説明省略するんかいといったものが多いです。
大学で他の数学科目、微分積分学、線形代数学、微分方程式、ベクトル解析などを習得していることが前提のような作りで初学者完全お断りな参考書となっています。
聞くまででもないかも知れませんが、基礎から学ぶアンテナ入門と光・電磁波工学ってどっちの方がおすすめなのでしょうか?
数学的知識がある方(理論系)は光・電磁波光学がおすすめですが、大多数の方はそんなことはないと思いますので、基礎から学ぶアンテナ入門で無線工学の知識を補完する勉強がおすすめです。
ただ、上記、2冊の参考書はあくまで無線工学に関する技術書ですので、これらの本を学習したところで第一級陸上無線技術士が取得できるようにはなりません。補助的に使用すると、実務や資格勉強の際に理解が深まるといったかたちです。
Amazonレビュー
電磁波の特性を基本から学ぶにはとても分かりやすい本です。入門書としてお勧めです。一般的な教科書よりも丁寧で分かりやすく工夫されています。他の教科書には書いていないような、なぜこの式が導出されるかという考え方の部分がきちんと書いてあります。
また、重要な式は枠で囲んであるなどの工夫もあり、じっくり学びたい人にも急いで公式が必要な人にも分かりやすくなっています。
無線の研究者をしていますが、電磁波関連の公式は知っていても、「なぜ」この式が導かれているかはあまり意識しないで使っていることがありました。
新しい課題が出てきた時に、基本に立ち戻って数式の意味を理解することの重要さを最近痛感しています。知人に貸してもらったこの本を見て、もう一度基礎から学びたいと思い購入しました。
マンガでわかる電磁気学
この本の特徴は「マンガであること」につきます。電磁気や微分積分の本って数式ばっかりで前提知識がある程度ないとまったく理解できないけど、マンガでわかる電磁気学は、前提知識の敷居が低く、初学にもってこいの参考書。
数学的知識が苦手な方でも読みやすいかな・・・?
マンガですのでとっつきやすさはピカイチ。だからといって内容が簡単すぎるわけでもないので、おすすめできる参考書です。ここからマクスウェル方程式のイメージを掴み、知識を広げていくことがいいかも。
構成としては電磁気のまとめであるマクスウェル方程式について解説をするため、マクスウェル方程式であるガウスの法則、磁気に対するガウスの法則、ファラデーの電磁誘導の法則、アンペール・マクスウェルの法則をひとつひとつを読み解いていき、最後に帰着するという構成です。
電気と磁気は関係性が深いので公式や仕組みも同じような考えてで流用できるので、本書を読み進めていると、これみたことあるなと感じることが多く、また、章ごとにピックアップと呼ばれる補足事項や発展的な知識、数学的な知識が記載されているので、簡単すぎるというわけでもなく、難易度としては丁度良いです。
Amazonレビュー
一度、図書館で借りたのですが、手元に置いておきたいと思い購入しました。ストーリーはイマイチですが、画があって対話方式での解説なので理解しやすく本格的な専門書への導入としておすすめです。
特殊相対性理論の足がかりとしての知識として、マクスウェル方程式について理解したかったので、その点はとても役に立ち満足できる本でした。
高校数学でわかるマクスウェル方程式
この本の良いところはその名の通り高校数学のレベルでマクスウェル方程式が説明されている点です。読者ができるだけイメージしやすいように絵や読みやすい文章で表現されていて数学的知識があんまりない方でも理解しやすい。
話の導入としては、電磁気の歴史から遡り、琥珀を擦り付けて静電気が発生する仕組みや日本でエレキテルを発明した平賀源内氏の話が触れていたりで知的好奇心をくすぐるのは良いですね
本を読み進めていくと、どうしても数学的な知識が難解になってくるのですが、この本はできるだけ抑えて文章で補完している感じ。微分積分を用いた数式自体は出てくるけど、解説が優しい。また、マクスウェル方程式をより厳密に理解するためには偏微分、面積分、ベクトル解析が必須なのですが、「高校数学でわかる」とあるように上記のような大学で学習するような高度な数学的知識は基本的にはなしで説明されています。
数学な苦手な人でも安心!!
まとめると、厳密な数式で表現されるというよりは高校数学で学習した物理、数学知識の範疇でマクスウェル方程式を文章で表現しているような参考書となります。そのため、初学者向けの本となっており、ここから「マンガでわかる電磁気学」や「基礎から学ぶアンテナ入門」を読むことがおすすめ。
ちなみに微分、積分、ベクトル解析が全くわからないと電磁気という現象が把握しづらいです。現象を小さな単位に定義するときにどうしても、瞬間的な変化を知るための計算方法としてこれらのツールが使用されるので、ある程度理解できないと、イメージはできるんだけど、数式で語れないということになってきます。
Amazonレビュー
歴史の中の偉人たちが、どのような思考、実験によって法則を導き出したかマクスウェルの4つ方程式とローレンツ力まで、電磁気学の発展と統合が、分かり易く解説されています。
特に、ガウスの定理とコンデンサの思考は、理解を深めるのに役立ちました。興味深いのは、マクスウェル方程式が簡単な微積で理解できること。アンペールの力は電子が発見されてからローレンツ力として理解されるようになったことです。
それぞれ、法則の意味をじっくりと考え、基礎知識を習得する良い機会になりました。